月の輪熊の生態


月の輪熊のゴゲジャバルが贈る、クマ講座。
生態っていうほど大ゲサじゃないけどね。
クマについて賢くなっていってね!


● クマのご先祖さま (原始時代のクマちゃん)
● クマについて (クマ全般について)
● クマの種類 (大きく分けて8種類)
● ツキノワグマ (クマ肉のお味まで言及)
● 子グマ (双子が多いんだって…)
クマのご先祖さま
今のクマのご先祖さまが地球上にうまれたのは100万年くらい前。
1万年くらい前までヨーロッパとかアジアにいた、ホラアナグマがそうなんだって。
化石がホラアナからめっかるからホラアナグマで、3メートルくらいあってヒグマによく似ていたっていわれてるんだよ。
クマは原始人には神さまあつかいされていたんだって。
北海道のアイヌの人たちはイヨマンテ(熊の霊送り)っていう子グマを殺しちゃうお祭りをしてたけど、これもクマは神さまだから。
神さまの国に送りかえしてあげる儀式なんだって。
殺しちゃうなんてひどいけど、自然の神さまだとおもっているからでいろいろおそなえしたりして送ってあげるんだって。
 
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クマについて
クマ科は、陸上で一番大きい食肉目(雑食だけどね)なんだよ。
蹠行性(せきこうせい)っていって、足の裏を全部つけて歩く人間とおんなし種類なの。
だから後ろ足で立ち上がることができるんだ。
指も5本あるしね。
ケンカする時には立ち上がって、前足のツメで攻撃するんだよ。
ツメと腕のパワーじゃほかの動物に負けないもんね。
ヒグマとか、首のまわりがモコモコしてるよね。
あれって筋肉のたばで、すっごいパワーがあるんだよ。
  
クマは、大きく分けて8種類いるんだよ。
ホッキョクグマ属、ヒグマ属、ヒマラヤグマ属……。
くわしくは後で紹介するね。
ゴゲたち月の輪は、ヒマラヤグマ属、別名アジアクロクマ、の仲間なのだ。
 

いろんな種類がいるけど、ホッキョクグマ以外はたいてい森林に棲んでるんだよ。
たから、木登りトクイな子が多いんだ。
ヒグマとかは大きくなると、重くって登れなくなっちゃうけど、ちっちゃいうちはやっぱりトクイ。
木登りできないクマは、おデブってことかもしれないよね。
生息しているのはほとんど北半球。
南極とアフリカ、オーストラリア以外の大陸に棲んでいるんだよ。
中には南のほうにいるクマもいるけど、その子たちは冬ごもりしないんだって。
ゴゲも、家グマだから冬ごもりしないのだ。
 
目と耳よりも鼻のほうが発達しているから、クマと出会った時に死んだフリしてもムダなんだよ。
だって匂いで死んでるかどうか、分かっちゃうんだもん。
でもクマだって人間がコワイから(だって人間は火とか、武器とか使うじゃん)、死んだフリしてる人間にはなるべく近よらないようにしてるんだけどね。
あと、クマと出会ったときに目を見ちゃいけないんだよ。
クマの目を見るっていうのは、
「オラァ、オマエより強いんだ!」
ってケンカ売ってることになっちゃうんだ。
売られたケンカは買っちゃうゾ。
だから急に人間と出会ったりすると、ビックリしてコワくって目が合っちゃって、ケガさせたりしちゃうんだよ。
だからお山を歩くときには、人間のほうが鈴とか音のでるものもっててくれると、ああ人間がいるんだなぁってビックリしなくってすむのだな。

でもホッキョクグマは別。
見た目はなんかボテっとしてるけど、けっこう狂暴で、気分で人間を襲ったりしちゃうんだもん。
しかも大きいからパワーもあるしね。
 
寿命はだいたい20〜25年くらい。
オスは10歳くらいまで、メスは4歳くらいまでは成長しつづけて大きくなるんだよ。
でも人に飼われていると、42年生きたクマもいるくらい長生きするんだって。
食べ物の心配をしなくてもいいからかなぁ。
家グマのゴゲは100年くらいは生きるんだぁ! ワタがくさるまで〜♪。
 
パンダと体型は似てるけど、パンダはちょっと特別なんだ。
このあいだまでパンダはアライグマ科だって思われてたんだよ。
タヌキに近い(?)って思われていたのかな。
今はクマの仲間に分類されるようになってるけどね。
 
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●クマの種類
   今いるクマは、パンダをいれて8種類。
哺乳綱 食肉目(ネコ目) クマ科、そのあとに○○属っていうそれぞれの種類がつくのが正式な名前なんだよ。
大きい順に紹介してくね。
大きさはハンティング・レコードっていうアタマの大きさの順番で、平均は生きてるオトナのクマではかった大きさだよ。
 
ヒグマ属
   

学名 Ursus arctos
英語名 Brown bear
 
体長2.0〜3.0m・体重400〜650kgくらい。
中には3.2メートル1100kgなんてヤツもいたんだって。
月の輪の10倍以上、でっかくなっちゃうんだねぇ。
アメリカのハイイログマ(グリズリー)や、コディアックグマ(アラスカヒグマまたはアラスカアカグマ)、カムチャッカのベーリングヒグマ、中国のマンシュウヒグマ、北海道のエゾヒグマはみんなこのヒグマの仲間なんだよ。
 
みんな北のほうに棲んでるんだけど、中でも寒いところにいるせいか、コディアックグマはとってもジャイアント。
ギネスブックにのってる世界一おっきい飼われていたクマはこのコディアックグマのゴリアテくんで、肩高1.5m、体重900kgもあったんだって。
みんな割合気性があらくって、肉食がメイン。サケも食べるよ。
おとなになると、走る速さは時速48kmくらい。
足の速い子だと時速60kmで走れるんだ。
でも重くって木登りはニガテなんだ。
 
写真のエゾヒグマはヒグマの仲間なんだけど、日本製だからかそんなに大きくはないんだよ。
だいたい300kg〜400kg、おっきくっても450kgくらいなんだって。
 
ホッキョクグマ属
  


学名 Ursus maritimus
英語名 Polar Bear
 
おなじみシロクマ・ポーラベア(北極熊)。
平均の体長2.0〜2.5m・体重400kg〜500kgくらい。
写真見るとわかるけど、アタマはヒグマよりちっこいんだけど、体はおっきくって野生だと800kgくらいになるのもいるとか。
おっきいのだと3.4m、1200kgなんていうのもいたんだって。
ヒグマよりおっきくなっちゃうんだねぇ。
 
ふだんは半分水の中で暮らしてるんだよ。
アザラシとかセイウチを食べちゃったり、一番狂暴で肉食メイン。クマの中でも一番後から生まれた新しい種類なんだ。
20万年くらいまえの氷河期に、北極にたどりついたヒグマが寒さとかまわりの環境にあわせて進化したとも言われてるんだって。
毛は白いんだけど、肌は真っ黒なんだ。寒い北極に棲んでいるから、お陽さまの光を吸収しやすいように黒いんだって。
寒さにたえられるように、冬は脂肪も10センチくらいのあつさになるし、毛も保温性がいいようにまんなかが空洞になっているんだって。
その分あつい夏はにがてでバテバテになっちゃうんだよ。
 
アザラシを取るときに、自分の黒い鼻(吻=ふんっていうんだよ)をかくして気配をけしたり、氷にまぎれるくらいおりこうさん。
だからエスキモーやシベリアにはシロクマを狩猟の神さまにしている人たちもいるんだ。
 
ふだんはオスもメスも1匹でくらしていてずうっと流氷といっしょに海の上を旅しているんだ。
冬ごもりをするのはおなかに赤ちゃんがいるお母さんグマだけ。
赤ちゃん産むときは秋になると陸地にもどってきて、雪のつもってるとこに穴ほって冬ごもりして、赤ちゃん産んでそだてるんだよ。
春になると穴からでてきて2年くらいは赤ちゃんはお母さんとくらすんだ。
 
泳ぐのがとくいで、時速4〜6.5kmくらいで、何キロでも泳ぐし潜ることもできるんだ。
120kmも沖にいたり、ときどき流氷に乗ってとんでもないところまで行っちゃったりするシロクマもいるんだって。
 
アメリカグマ属
  学名 Ursus americanus
英語名 American Black Bear
 
体長1.5〜1.8m・体重120〜270kgくらい。
クロクマとも呼ばれてるよ。北アメリカにすんでるんだよ。
アメリカのをまとめてクロクマっていうけど、クロアメリカグマ、シロアメリカグマ、クイーンシャルロットクロクマ、クリイロアメリカグマ、アオアメリカグマ、ニューファウンドランドクロクマ、オリンプスクロクマ、フロリダクロクマとか16種類(学名のUrsus americanusのあとに、altifrontalis、amblyceps、americanus、californiensis、carlottae、cinnamomum、emmonsii、eremicus、floridanus、hamiltoni、kermodei、luteolus、machetes、perniger、vancouveriってつくんだ)もいるんだよ。
棲んでるところとか毛の色(5種類)がチョコレート色とか褐色とか青みががった茶色とかでお名前もちがうんだって。
メキシコみたいな南のほうにも棲んでる子がいるんだよぉ。
 
かしこくって器用な子たちで、ビンのふたや缶を空けたり、自動車や家のトビラを開けたりしちゃうこともあるんだ。
クマの中でもおとなしくって、木登りしたりすっごい身軽なの。
木の実や、木の皮、果実、ザリガニとかをよく食べるんだ。
果実大スキだからジャムとかもスキなんだって。
食べるものがないときはシカを獲って食べることもあるんだよ。
 
ナマケグマ属
  学名 Melursus ursinus
英語名 Sloth bear
 
体長1.4〜1.8m・体重55〜160kgくらい。
夜行性で、インドからスリランカに棲んでる毛のながくってボサボサなクマ。
ナマケモノっていう動物みたいに10cmもある長いツメで木にぶらさがったり、赤ちゃんをおんぶしたりできるんだよ。
おんぶするのはまわりにトラとかヒョウとか危険な動物がいるから、赤ちゃんまもるためで生まれてから半年くらいはずうっとおんぶしてるんだって。
毛が長くって胸に白いミカヅキがついてる子もいるんだよ。
 
お花やハチミツをよく食べてるからミツクマともいうらしい。
名前はミツクマなんだけど、一番スキなのはシロアリなんだって。
すっごい鼻がよくって、地面の下シロアリもみつけちゃうんだ。
器用に舌をアリの巣につっこんですいこんじゃって食べるんだ。
シロアリなんかよりぜったいサケとか木の実のがおいしいよね!
  
メガネグマ属
  学名 Tremarctos ornatus
英語名 Spectacled bear
 
体長1.3〜2.1m・体重はメスが30kg〜70kg、オスが130kg〜200kgくらい。
南アメリカ・アンデスの子。
ベネズエラからボリビアにかけてのアンデス山脈、ペルー、ブラジルあたりまでいるみたいだけど、すんごく数が少ないんだよ。
大事にしよう!!
木登りがうまくって、くだものとか植物質のものが大スキでよく食べるんだ。
目のまわりが白い毛でかこまれていて、それがメガネみたいに見えるからメガネグマっていうんだって。
 
ヒマラヤグマ属
  学名 Ursus arctos isabellinus
英語名 Himalayan brown bear
 
体長1.5〜2.0m・体重100kg〜180kgくらい。
ツキノワグマとかアジアクロクマともいうんだよ。
名前どおりネパールからヒマラヤ、インド、中国あたりに棲んでるアジア産。
毛が黒くって胸にツキノワの形の白い毛があるのが特徴なんだ。
雑食でふだんはくだものやミツバチの巣とか食べてるけど、牛とかお肉、お魚を食べることもあるんだよ。
あまいカキの実は大好物なのだぁ。
 
ゴゲたちツキノワグマは、このヒマラヤグマの仲間でニホンツキノワグマっていうのがほんとうのお名前なのだな。
体長1.1m〜1.3m・体重40〜130kgくらい。
体重100kg超えるのはめずらしいくらいなんだよ。
ほかの子たちにくらべると全体にちっこいんだよねぇ。
ニホンツキノワグマとヒマラヤグマってよく似てるんだけど、ヒマラヤグマのほうが寒いところに棲んでるから、毛がちょっと長いんだ。
特に首のまわりの毛がもこもこしてたらヒマラヤグマだからねぇ。
 
マレーグマ属
 
学名 Helarctos malayanus
英語名 Malayan sun bear
 
体長1.0〜1.4m・体重25〜65kgくらい。
名前どおりマレー半島の子。中国南部から東南アジアにかけてすんでるんだ。
 
英語だと、サンベア。太陽のクマだって。ハチミツも大スキだから、ハニーベアって呼ばれることもあるんだ。
木の上に台みたいなのを作ってくらしてて、クマん中で一番小さいのがこの子。
鳥とか、ネズミとか、果物を食べるんだよ。でもホントは、ハチミツよりハチの子がスキなんだって。
ツキノワみたいな白い胸毛があるんだよ。
 
ジャイアントパンダ属
 


学名 Ailuropoda melanoleuca
英語名 Giant panda
 
体長1.7m・体重100〜150kgくらい。
動物園で人気のパンダ。大熊猫とかシロクロクマとかも呼ばれてるよ。
大きさはナマケグマくらいだよね。
でも、ちょっとほかのクマとはちがう子だから番外編あつかい。
 
上にも書いたけど、まえはレッサーパンダとおんなじアライグマ科だと思われていたんだよ。
レッサーパンダっていう名前は、「ニガラポンヤ」っていうネパール語の「竹を食べるもの」っていう言葉からついた名前なんだって。
んでもってパンダもおんなしように竹を食べてたから仲間だと思われたんだよね。
でも遺伝子っていうのの研究が進んできて、よ〜くしらべたらアライグマよりクマとお友だちだったんだって。
それでいまはクマ科パンダ亜科ジャイアントパンダ属っていう種類になっているんだ。
でも、中国では今でも食肉目ジャイアントパンダ科っていう分類をしているんだよ。
 
好物は笹の葉っぱ。なが〜いツメと、てのひらのつけねに6本目の指みたいなのが発達してて、笹をじょうずに持って食べるんだよ。
パンダっていう名前もネパール語の「竹を食べるもの」っていう言葉からつけられたんだっていわれてるんだ。
ほとんどが中国中西部にある保護区に棲んでるんだけど、ときどき人家のそばまででてくるノラのパンダもいるんだって。
動物園で見るとタイヤの上でころころしたり、体は重いけど身は軽いよねぇ。
 
ほかのクマは春先に赤ちゃんを産むんだけど、パンダは夏のおわりころ産むんだ。
お母さんパンダがエサにする笹が夏にはいっぱい育つからなのと、赤ちゃんが乳ばなれする春先にやわらかい竹の子があるからなんだって。
いっぱい食べるといっぱいお乳が出て赤ちゃんも元気に育つんだよね。
 
笹は1年中あるから、冬ごもりもしないんだよ。
笹を食べるようになったのも、寒い氷河期に食べるられのが笹しかなかったからなんだって。
パンダもクマとおんなしでいっぺんに2〜3頭の赤ちゃんを産むんだけど、一度に育てられるのは1頭だけなんだよ。
だからあんまりふえないんだね。
 
日本にはじめてパンダがきたのは30年くらいまえ(1972年)で、「ランラン」と「カンカン」というお名前の2匹だったんだって。
んでももっとまえ、50年くらいまえの『白蛇伝』っていうアニメにパンダがでていたんだけど、そのころは仙人が住むお山にいるまぼろしの動物みたいなあつかいだったんだって。
 
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●ツキノワグマ
哺乳類食肉目クマ科ヒマラヤグマ属ニホンツキノワグマ。
学名:Selenarctos thibetanus japonicus
英語名:Japanese Black Bear
 
日本だけにいる種類だよ。
上で紹介したようにクマの中ではけっこう小さくて、おとなしいんだ。
ゴゲもツキノワだからおとなしくっていい子だよぉ⊂(n_n)⊃♪
 
そういえば、クマの夢を見ると男の子が生まれる、っていう言い伝えがあるらしいけど、これって日本のなのかなぁ、それとも中国のなのかなぁ。
神さまだったりお告げをしたり、いろいろいそがしいよねぇ。
 
胸に三日月型の胸毛があるから月の輪熊。
九州では絶滅しちゃった、ってウワサ。ホントかなぁ、ヤダなぁ。
なんか年々減ってるみたいでさびしいのだぁ!
 
お山に食べ物がなくなって、人里で手に入れることをおぼえちゃったクマは、人間にとってとても危険なんだって。
だから危険物排除っていう考え方で、どんどん減っているんだよ。
関東でも、数えられるくらいしか残っていないみたいだね。
夏が暑すぎたり台風いっぱいだったりしてお山に食べものがなくなると、おなかすかして人里まで食べものさがしにきちゃうんだよね。
お天気のせいだけでなくって、人間が木の実のならない木ばっかり植えたりしたせいもあるし、食べないと死んじゃうからしかたないのにね。
それに冷蔵庫あけて食べものさがしたりって、クマがかしこい証明なのに。
そういう子には、ちゃんと食べものあげて、また食べものさがしに来ないように、ちゃんとお弁当もたせてお山にかえしてあげてほしいとゴゲは思うのだなぁ。
そのうち、ぬいぐるみのクマだけになっちゃうのかなぁ。
 


↑ただいま調理中(Photo byけんさん)

ちなみに、ツキノワグマを食べちゃった(ヒドイよ〜!)お兄ちゃんたちによると、肉はケモノ臭くて食えんかったそうだ。
包丁では切れにくくて、ベースは牛肉で鯨なみの油と獣の匂いとゴムの食感を加えた感じ、だとか。
だったら食うなよ〜〜!!
 
と書いていたら、保護者のトモちんもそのお兄ちゃんに肉を分けてもらった、と言ってナベにして食べていた。
「もっとネギを入れればよかった。すんごくカタいけど、おダシは最高じゃ〜! 次は中華風に豆板醤で味付けしてみよう」だそうだ…⊂( ; _ q )⊃ うるうる、やっぱ魔女だ〜。
その保護者どのの試食会にいたのは8人。うちふたりはにおいでギブアップ。
5人は「クセになる味だ!」とハマってしまったらしい。
クマを食べたあとはやたら眠くなる、っていうお話もあるみたいだけど、この連中はなんでもなかったなぁ。
 
絵日記を描いている熊絵師・熊七は「わしゃぁ、カワイそうで食えん…」と言って食べなかったの。
さすが、クマはクマどうし。
いつかいっしょに、人間をおちょ食ってやろうな、熊七!
 
他にも、クマから取れる“熊の胆(くまのい)”とか、“熊の油”は貴重品で、人間は珍重しているんだって。
 
“熊の胆”は、クマの胆嚢(タンノウ)を乾燥させたもので、とんでもなく苦いけど、胃のお薬にとってもいいんだって。
春先、冬眠から覚めたばっかりのクマから取って、囲炉裏で2〜3カ月かけて乾燥させてつくるらしい。
できあがった物は1個30万円〜120万円くらいするんだって。
とっても高いから、熊の胆取るためにクマを殺しちゃったりする人もいるんだよ。
むかしならともかく、今だったらいろんなお薬売ってるんだから、そんなんで殺すなよぉ。
だからクマの数がへっちゃうんだぞ。
 
そいから中華料理の材料でクマの手を買うと、1個2〜3万円。
右手のほうが高いんだよ。
ハチミツなめる手だからかなぁ。
むかしはクマの手は安産のお守りにもつかわれていたんだって。
 
“熊の油”は、熊の脂肪から作ったお薬で、塗り薬として使うんだけど、ヤケドにすっごい効くんだって。
ヤケドあとがのこんないのは熊の油だけとかいわれているんだ。
あとひびわれとか水虫にも効くっていわれてるよ。
 
ほかにも骨はリュウマチに効くとかいろいろいわれてて、貴重品あつかいなんだよねぇ。
それからいっぱい脂肪がのったクマの肉はとってもよく燃えるんだって。
だから昔は、クマは“火の精”である、とも考えられたくらい、神聖な動物だったのにねぇ。
 
アイヌの人たちはクマのことを、神さまの国からミアンゲを持ってくるお客さんっていってたんだって。
「ミアンゲ」っていうのは「おみやげ」の元になった言葉で「身をあげる」っていう意味らしい。
クマはムダなところがないくらいお役立ちの動物で、だから神さまのおつかいだったんだよねぇ。
神さまを食べるなよぉ、殺すなよォ。
 
[1番上へ]
●子グマ
ツキノワグマもそうだけど、たいていのクマは冬ごもり中に子供を産んで、哺乳もするんだよ。
でもお母さんグマはその間なんにも食べないんだよ。
だから冬ごもりの前には大量の食べものが必要で、人里まで食べもの探しに行っちゃったりするんだよね。
  
ふつうは2年に一回1〜3匹の子供を産むんだよ。
ツキノワは双子が多いの。
ゴゲも双子どころか、六つ子くらいに生まれたかったなぁ。
そしたらおうちの中の多数決で、いつも勝てるよねぇ。
  
生まれたばっかりの子って、すんごーくちっちゃいんだよ。モルモットくらいかな?
パンダが100から200g、ツキノワとかが500g、シロクマでも600gくらいしかないんだ。
どのクマも、2才くらいまではお母さんといっしょにくらして、3〜4歳でおとなになるんだよ。
 
おとなになると生まれたての300〜400倍の大きさになっちゃうのだ。
ゴゲは15歳でじゅうぶんおとなのハズなんだけど…ぬいぐるみだから脳みそワタとか言われて、子供あつかいされるんだよぉ。
でもいいんだぁ! まいんち映画見てたのしいし、動物園のクマちゃんより長生きしちゃうもんねぇ!!
  
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